フランス電力グループは現地時間8月11日、北部沿岸に位置するグラヴリーヌ原子力発電所で、大量のクラゲが冷却システムの濾過設備を詰まらせたため、保護装置が作動し、10日夜から11日早朝にかけて4基の原子炉が相次いで停止したと発表した同発電所はフランス最大の規模を誇り、計6基の原子炉を備え、総出力は54ギガワットに達する現在、残る2基の原子炉は定期保守中であり、施設全体の運転は完全に停止している
フランス電力グループの声明によれば、クラゲの大群の集結によりポンプステーションの濾過システムが過負荷状態となったが、今回の事象は原子力施設の安全性や作業員、周辺環境には影響を及ぼしていないという技術者らは緊急に設備の状態を点検し、安全な再稼働に向けた準備を進めている
なお、グラヴリーヌ原子力発電所は海に面した立地ゆえに海洋生物の影響を受けやすいが、広報担当者はこうした事例は「極めて稀」で、過去にも類似の事象はごく少数しか発生していないと述べている
専門家の分析では、地球温暖化による海水温の上昇がクラゲの繁殖にとって好条件をもたらしており、この生態系の変化が沿岸部の産業施設の運用リスクを一段と高めている可能性があると指摘されている原子力発電所の設計には生物侵入への対策が盛り込まれているものの、極端な規模の海洋生物の大量発生は従来の防護体制を突破するおそれもある今回の事象は、気候変動がエネルギーインフラにもたらす潜在的な脅威を改めて浮き彫りにするとともに、同様の沿岸型原子力発電所における緊急時対応計画の策定に重要な参考事例を提供している